「今は独身で快適な生活を送れているけれど、将来を考えると不安になる」という方もいるでしょう。
男性の独身にもメリットはありますが、将来は厳しい現実を待ち受けることになります。
年齢を重ね、特に50歳を過ぎて老後を迎える頃には、その厳しい現実を実感することが増えるでしょう。
この時点で「もっと早く婚活していれば良かった」と後悔しても、取り返しがつきません。
この記事では、独身男性のメリットや将来直面する厳しい現実を解説します。
後悔のない人生を送るためにも、今から自分の未来について真剣に考えてみましょう。
生涯独身の男性が年々増加している理由
最近は晩婚化が進み、生涯独身という人も増えています。国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、2020年の50歳男性の未婚割合は28.25%です。
国立社会保障・人口問題研究所のデータを加工して作成
生涯独身の男性が増えている理由としては、下記のようなものが挙げられます。
結婚したくない独身男性が増加している
自分の時間やお金を自由に使うことを重視する人が増えているからです。
結婚すると、家族や子育てに充てる時間が増加し、自分の時間や自由が制限されることがあります。
一方で、独身であれば、転職や趣味を続けることも、自分の判断で気軽に選択できます。
さらに、現代では、家事代行サービスや外食、コンビニ弁当などが普及しています。
独身者でも快適な生活を維持しやすい環境が整っています。
これらの理由から、「結婚しない」という選択をする男性が増加しています。
そもそも異性との出会いが無い
独身生活を謳歌したい男性がいる一方で、「結婚したい」と考えながらも、異性との出会いがなく、仕方なく孤独な生活を送っている男性も少なくありません。
国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」では、「いずれは結婚しようと考える未婚男性の割合」は81.4%と非常に高い割合になっています。
引用元:第16回出生動向基本調査
しかし、男女共同参画局によれば、20〜39歳男性の37.6%が「一度も交際経験がない」と回答しています。つまり、20〜39歳男性のほぼ3人に1人は恋愛経験がないことになります。
引用元:男女共同参画局
このことから多くの男性が結婚を望んでいる一方で、出会いがない現実を浮き彫りにしています。
経済的に難しい
2023年9月~2024年8月の1年間にdodaサービスに登録した人のうち、20歳から65歳まで約60万人を対象とした日本の男性年収中央値は420万円です。この年収で妻が専業主婦として子供を育てるとなると、生活は少し苦しいかもしれません。年収が低い、派遣などの非正規雇用など経済的な理由で結婚が難しいと考える人も少なくありません。
しかも、内閣府男女参画局の「令和3年度男女共同参画白書」では、2020年度の非正規雇用の男性は22.2%です。前年よりは低下したものの、一定数存在していることが分かるかと思います。経済的に難しいという理由から「結婚したくてもできない」男性も少なくありません。
引用元:令和3年度男女共同参画白書
趣味や仕事に集中したい
男性の中には、自分の好きな趣味や仕事に集中するため、結婚を諦めている人も少なくありません。
現代では、インターネットやテクノロジーの進化により、娯楽や趣味の選択肢が大幅に広がりました。
スマホゲームやYouTubeといったコンテンツなど充実した時間を過ごす手段が増えています。
また、仕事でも研究職や海外出張が多い仕事の場合は家族の犠牲を伴います。
そのため家庭との両立は難しいと考え、結婚を選ばない決断をする男性も存在します。
さらに、現代は「成人男性が必ず結婚すべき」という価値観が変化しています。
価値観の多様化に伴い、自由に生活できる独身生活を選ぶ男性も増えています。
独身のメリットは多い!生涯独身でいる男性がずるい理由
ここまで、生涯独身でいる男性が増えている理由について見てきました。
では、独身で生きていくことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、生涯独身のメリットについて解説します。

周りに気をつかわず気楽に生きられる
生涯独身で生きていくことの最大のメリットは、気楽に生きられることです。
周りのしがらみに気をつかわずに、自分がやりたいことだけしても許されます。
具体的には、以下のようなケースが挙げられます。
独身であれば養う家族も無いため、自分の人生は自分で決めることができます。
そのため、周りに気をつかわずに気楽に生きることができるでしょう。
お金や時間を自分のために使える
お金と時間は生きる上で欠かせない大事な資産です。例えば結婚することで、下記のような出費が必要となります。
結婚の初期費用
結婚式や結納、新婚旅行にかかる費用。
家族を養うための生活費用
住居費、食費、光熱費など生活に必要な費用。
子育てにかかる費用
高校や大学への進学、学習塾にかかる教育費。
生活用品、医療費、お小遣いなどの養育費。
子供1人あたりの生涯の養育費は、約2,700万円~4,100万円といわれています。
独身者にはこういった出費が無いため、その分のお金を自分のために使えます。また育児や家族サービスにかける時間も無いので、自由な時間を全て自分の好きなように過ごせます。
自由に恋愛しやすい
独身でいれば、自分がしたいタイミングで自由に恋愛ができます。
結婚している場合と比べて、交際相手と別れる選択もしやすいです。
仮に破局となっても、婚約していなければ慰謝料を請求される可能性も低いです。
結婚後に浮気をすれば慰謝料を請求されます。子供がいれば離婚+養育費を支払い続けることも……
何歳になっても自由に恋愛したい!という人は、生涯独身でい続ける方がいいのかもしれません。
早期リタイヤも目指せる
最近では、早期リタイア(FIRE)を目指している男性も少なくありません。
FIREとは、「年間支出の25倍の資産を確保し、不労所得のみで働かずに暮らすこと」を意味します。
子育てや家族のために支出する金額を投資に回すこともできます。
嫌な仕事を早めに退職するという生き方は、独身男性であれば充分魅力的でしょう。
【末路は悲惨?】独身男性が直面する厳しい現実
確かに、独身でいることは時間やお金に余裕があり、自由な生活を送れると言えるでしょう。
しかし、生涯を通じてその自由を維持できるかというと、必ずしもそうではありません。
ここでは、独身男性が直面する可能性のある厳しい現実について解説します。

ふとした瞬間に孤独を感じる
生涯独身でいる選択をした場合、将来やってくる孤独に備える必要があります。
これを見て「寂しい」と思うでしょうか?あるいは、全然平気だと思うでしょうか。
一人でできる趣味を持っていたり、職場以外の人間関係が充実している人であれば、それほど大きな問題ではないのかもしれません。
20代や30代のうちは、仕事やプライベートが充実していて平気でも、そこから40代・50代となると、徐々に孤独感を感じるようになります。いざパートナーが欲しくなった頃には誰にも相手にされないかもしれません。
高齢の両親の介護を負担する
独身男性が直面する深刻な課題の1つが、高齢の両親の介護です。
兄弟が家を継いでいる場合は介護を分担できる可能性がありますが、自分が長男であれば注意が必要です。
家庭を持っていれば、夫婦で負担を分散することができますが、独身だと負担を1人で背負わなければなりません。
介護には、「寝たきり」「認知症」「重度障害」などが含まれる場合があります。
場合によっては仕事を辞めざるを得ない状況になることもあります。
状況次第では、老人ホームへの入所が選択肢となりますが、両親がそれを受け入れない場合、自宅で身の回りの世話や食事、入浴などを1人でこなさなければならない可能性があります。
老後の生活が重くのしかかる
独身男性が老後に直面しやすい課題の1つが、経済的な余裕の欠如です。
若い頃から計画的に老後資金を蓄えていれば問題はありません。
しかし多くの人は独身生活を優先し、将来への備えが十分でない場合があります。
結婚していれば、定年後も夫婦の年金収入を合わせて生活することが可能です。
独身の場合は自分の年金だけで生計を立てる必要があるため、生活が厳しくなるリスクが高まります。
病気になったら頼る人がいない
独身男性が直面しやすい課題の1つは、自分が病気になった際に頼れる人がいないことです。
たとえば、脳卒中などで倒れた場合、たとえ一命を取り留めたとしても、その後のリハビリや日常生活のサポートが必要になる可能性があります。
結婚していれば配偶者に支えてもらえますが、独身の場合は介助や生活支援を他者に頼らざるを得ません。
介護ヘルパーや公的機関を活用する選択肢もありますが、その分経済的負担の増加は避けられません。
このように、病気やケガの際に身近な支えがないことは、独身で生きる上で大きな課題となるでしょう。
平均寿命が既婚者より短い
政府が実施した2020年度の人口動態調査によると、結婚している男性の寿命の中央値は81.6歳です。
一方、独身男性の寿命の中央値は67.2歳と、14年の差があることが分かりました。
この差の主な要因は、生活習慣、とりわけ食生活の栄養バランスや運動習慣の有無とされています。
独身男性は自炊の頻度が低く、偏った食生活になりがちです。
結果として「脳卒中」や「心臓病」といった生活習慣病のリスクが高まるといわれています。
研究によれば、これらの疾患による死亡率が既婚よりも独身の方が高い傾向が示唆されています。
こうしたリスクを軽減するには、定期的な健康診断を受け、日々の生活習慣を見直すことが重要です。
仕事のモチベーションの低下
「家族を養うために、つらい仕事も乗り越えられる」というのはよく聞く話ですよね。
独身の場合は、自分さえ生活できればOKですから、仕事を頑張るモチベーションが上がりづらいのが特徴です。
- 昇給・出世する必要もない
- 仕事が嫌なら辞めてしまえばいい
- 資産があればセミリタイアしてもOK
こう言えば聞こえはいいですが、頑張る理由がないのもつらいところです。
「仕事は生活をするための手段」と割り切れる人であれば問題ありませんが、仕事にやりがいを求める人にとっては苦しいでしょう。
幸福度が低下する
独身男性は自由で気楽な生活を送っているイメージがある人も多くいるのではないでしょうか。
一方で、独身男性は、既婚男性よりも幸福度が低いというデータがあります。
これは、明治安田総合研究所が行った「男性の幸せに関する意識調査」によるものです。
「男の幸せは何か?」という設問に対して、多くの人が「幸せな家庭を作ること」を挙げました。
この結果から、男性にとって結婚し家族を守ることが幸福感を得る一因となっていると考えられます。
一方で、独身男性の幸福度が低い背景には、孤独感や社会的つながりが不足していると考えられます。
結婚という選択が必ずしもすべての人に幸福をもたらすわけではありませんが、家庭を持つことが多くの男性にとって精神的な充実感をもたらしていることは確かでしょう。
男性が生涯独身を貫くためにはどんな準備が必要?
人生に正解はありません。結婚すると幸せになるとは限りませんし、むしろ独身の方が幸せな場合もあります。
現在は独身男性も増え、自分の人生を自由に設計することが可能な時代です。
その中で、生涯独身を貫くという生き方もひとつの選択肢になるでしょう。
では、男性が生涯独身を貫くためには、どのような準備が必要になるでしょうか。
ここでは、独身を貫くために今から準備しておくべきことを解説します。

老後資金を貯める
独身男性にとって、もっとも大きなリスクは老後資金の問題です。
独身男性には子供がいないため、高齢になった際、両親も亡くなっており、周囲に頼れる人は少ないはずです。
頼りになるものは唯一、お金だけという状況になるでしょう。
そのためにも、若いうちから老後資金を貯蓄していく必要があります。
独身男性は、家族に使うお金がない分を投資に回すなどして、老後資金を蓄えておく必要があります。
健康管理を徹底する
独身男性には病気になったときに、助けを求めることができる妻も子供もいません。
そのため普段から、健康管理を徹底しておく必要があります。
たとえば、スポーツジムに通う、健康に気を付けた食生活を心がけるなどを行う必要があるでしょう。
もし病気になった際は、休職中に保険金がもらえる就業不能保険に入っておくこともオススメします。
周りと良好な人間関係を築く
独身男性の場合、妻や子供がいないため「いざという時」に頼る相手がいないことがデメリットです。
そのために、家族以外の人と良好な人間関係を築いておくことも重要です。
- 兄弟姉妹や親戚
- 職場の同僚
- 友人、知人
生きる目的を見つける
独身男性は、お金や時間に自由である一方、「家族を守る」というような生きる目的がありません。
いくら自分が好きな趣味や仕事に没頭できても、「家族を守る」というモチベーションに敵いません。
独身男性は年齢を重ねるごとに「自分は何のために生きるのか?」と不安を感じることも多いでしょう。
そのため、自分の人生の指針となる「生きる目的」を見つけることが重要です。
【独身男性の選択】悲惨な末路を選ぶか、結婚するかはあなた次第
ここまで、独身でいることのメリットや、独身男性の悲惨な末路について見てきました。
現在は結婚も生涯独身も、自由に選択できる時代です。どちらが良くてどちらが悪いということはありません。
しかし、この機会に「結婚することのメリット」ついても改めて考えてみるとよいでしょう。

共働きなら年収が低くても大丈夫
結婚のメリットのひとつは、共働きによって世帯収入が増える点です。たとえば、非正規社員として年収が低く、そのために結婚をあきらめている場合でも、共働きによって解決できる可能性があります。
お互いに働いて収入を得られれば、家庭を持つことも十分に現実的でしょう。また、正社員で平均的な収入しか得られない場合でも、世帯収入が増えることには何のデメリットもありません。
老後の介護問題が解消される
特に40代以降で結婚することのメリットは、老後の親の介護問題がある程度解消されることです。
前述しましたが、あなたが家を継いでいる場合は注意が必要です。両親に何かあった際、独身であれば、あなた1人で両親を介護しなければなりません。その場合、介護のレベルによっては仕事を辞めなければならないケースもあるでしょう。
しかし、あなたが結婚していれば、妻が両親の介護をサポートしてくれる可能性もあります。親の介護だけでなく、自分が病気になった場合も、妻の役割は非常に大きいと言えるでしょう。
健康の維持がしやすい
結婚して妻の料理を食べることで、自然とバランスの取れた食生活を送ることができるでしょう。手作りの料理は外食に比べて塩分や脂肪分が控えめになりやすく、健康管理に役立ちます。
また、2人で健康意識を共有し、ウォーキングやジム通いなどの習慣を取り入れる夫婦も増えています。1人ではモチベーションを保つことが難しい運動も、パートナーと一緒なら継続しやすいでしょう。
このように、結婚生活を通じて健康的な生活習慣を築きやすいことも、メリットの1つといえます。
独身男性が結婚に少しでも迷うなら婚活しておくべき理由

将来的に「結婚したいと思うかもしれない」と不安を感じているようであれば、今からでも婚活を始めた方が良いです。理由はシンプルで、年齢を重ねるほどに婚活は難しくなるからです。
- 年齢を重ねると、自然な出会いが減る
- 想像以上にマッチング率も減る
- 条件を下げるなど、柔軟な婚活が難しくなる
出会いの量が減っていくことに加え、長い間独身生活を謳歌していると、条件面での妥協が難しくなるケースも少なくありません。
また、将来設計に迷いがある場合でも、お相手としっかり話し合うことで解決できることもあります。
子どもの有無・交際後の時間の使い方など、こうしたい!という希望は仮交際の段階からでも話し合うことができます。
婚活を始めてみて「この人なら結婚してもいい」と思える人がいれば、結婚をするという選択もあります。
迷いがあれば婚活をぜひ進めてみてさい。
婚活をするなら結婚相談所がおすすめ
婚活をこれから始めるのであれば、結婚相談所を利用しましょう。
結婚相談所では、女性の紹介に加えて、お見合いやデートなど必要なサポートを受けられるメリットがあります。恋愛下手な人や交際経験がない人でも手厚いサポートにより成婚が可能です。
気になる方は以下の記事もご覧ください。
【独身男性へ】老後に向けて後悔の無い選択を!

いかがだったでしょうか。本記事のポイントは下記の通りです。
人生に正解はなく、他人がとやかく口を出す筋合いはありません。あなた自身が後悔無く人生を過ごせれば、それでよいのです。
とはいえ個人的には、結婚に少しでも興味があるなら、まず婚活に挑戦してみることをおすすめします。婚活を試した結果、「やはり独身がいい」と感じたら生涯独身の道を歩めばよいのではないでしょうか。
あなたが後悔のない人生を送ることを願っています。